

「おしゃれなスニーカーが欲しいけれど、私のサイズ(22.0cm)だと、なんだか運動靴っぽく見えてしまう」 「子供靴コーナーに行けばサイズはあるけど、瞬足やマジックテープの靴ばかりで、大人の服に合わない」
足の小さい女性にとって、パンプス以上に選ぶのが難しいのが「スニーカー」です。 パンプスは小さくてもデザインが凝縮されて可愛く見えますが、スニーカーはボリュームがあるため、サイズが小さいと全体のバランスが崩れ、「寸詰まり」な印象になりがちだからです。
そんなスニーカー難民の小柄さんに、自信を持っておすすめできるブランドが一つだけあります。 それが、街中で「N」のロゴを見かけない日はないほどの人気ブランド、New Balance(ニューバランス)です。
なぜニューバランスなのか。 それは、他のスポーツブランドに比べて圧倒的に「サイズ展開が細かい」こと。 そして、「ジュニアサイズ(子供用)」のデザインが、大人用と見分けがつかないほど洗練されているからです。
しかし、ニューバランスの売り場には、似たようなデザインなのに値段が倍違うものや、アルファベットと数字が羅列された複雑な品番が並んでいます。 「どれを選べばいいの?」 「996と574、どっちが私の足に合う?」
この記事では、元靴販売員の視点から、ニューバランスの複雑な品番の謎を解き明かし、小柄な大人が選ぶべき「正解の一足」を徹底的に解説します。

ニューバランスの靴選びで失敗しないためには、まず、あの謎のアルファベットの意味を知る必要があります。 ここを理解するだけで、靴選びの効率が劇的に上がります。
ニューバランスのスニーカーは、基本的に「アルファベット(性別・カテゴリ)」+「数字(モデル名)」で構成されています。 小柄さんが見るべきは、以下の3つのカテゴリです。
頭に「W」がつくものは、Women(女性用)です。 例:WL996、WS327 など。 これは大人の女性の足に合わせて作られたモデルで、シルエットが美しく、素材もスエードなど高級感のあるものが使われています。 サイズは基本的に22.0cmまたは22.5cmからスタートします。 「予算があるなら、まずはこれを選ぶのが王道」です。
頭に「M」や「U」がつくものは、MensまたはUnisex(男女兼用)です。 例:ML574、CM996、U574 など。 こちらは男性も履けるように作られているため、同じ22.5cmでも、レディースモデル(W)に比べて「幅が広く、全体的にゆったり」しています。 足幅が広い小柄さんや、厚手の靴下を履きたい場合はこちらがおすすめです。
ここが今回の攻略の核となる部分です。 頭に「Y(Youth)」「P(Preschool)」「G(Grade School)」などがつくモデル。 これらは子供用ですが、ニューバランスの場合、17cm〜24cmくらいまで幅広く展開されています。 価格は大人用の半額〜6割程度。 この中から「大人が履けるデザイン」を見つけ出すことこそ、Sサイズ女子の特権であり、醍醐味です。
ニューバランスといえば、まずは「996」です。 もし最初の一足で迷っているなら、黙って996を選んでください。 なぜなら、996はニューバランスの中で最も「シルエットが細身(スリム)」だからです。
小柄な人がボリュームのあるスニーカー(ダッドスニーカーなど)を履くと、足元だけが大きく見えてしまい、ミッキーマウスのようなバランスになることがあります。 しかし、996はつま先がシュッとしており、幅も細いため、足元がスッキリとまとまります。 ロングスカートやワンピースなど、きれいめな服にも合わせやすい、まさに「スニーカー初心者のためのスニーカー」です。
ここで究極の選択です。 大人の女性用である「WL996(約10,000円〜)」を買うか、ジュニア用の「YV996(約5,000円〜)」を買うか。
結論から言うと、「紐(ひも)を結びたいなら大人用、脱ぎ履き重視ならジュニア用」です。
ジュニア用のYV996は、見た目は紐靴に見えますが、実は「ゴム紐 + ベルクロ(マジックテープ)」の仕様になっているものが大半です。 ペリッと剥がして履けるので非常に楽ですが、やはり見た目の「子供靴感」は否めません。 「マジックテープは見せたくない」というこだわり派の方は、高くても大人用のWL996の22.0cmを探しましょう。 逆に、「保育園の送り迎えで手を使わずに履きたい」「近所のスーパー用だから安くていい」という方には、YV996は最強のコスパ靴となります。
996と双璧をなす人気モデルが「574」です。 996が「細身・オンロード(舗装路用)」なのに対し、574は「幅広・オフロード(悪路用)」として開発されました。 そのため、つま先が丸くぽってりとしており、全体的にコロッとした愛らしいフォルムが特徴です。
「996だと小指が当たって痛い」という幅広・甲高の小柄さんには、間違いなく574がおすすめです。 靴の中がゆったりとしているので、厚手の冬用ソックスを履いても窮屈になりません。
ここが重要なポイントです。 574のジュニアモデル(GC574やPV574の一部など)は、サイズが大きくなると「マジックテープではなく、大人と同じ紐靴」になるモデルが存在します。 これを見つけることができれば、見た目は大人用と全く同じなのに、価格は5,000円台という「完全勝利」が可能になります。 ネット通販で探す際は、写真の結び目部分を拡大して、「本当に結ぶタイプの紐かどうか」を必ずチェックしてください。
定番ではなく、もっと今っぽい、流行のスニーカーが履きたい。 そんな小柄さんにおすすめなのが、「327」と「725」です。
大きな「N」のロゴと、カカトまで巻き上がったアウトソールが特徴的なモデル。 この独特なデザインは、足元にインパクトを与えてくれるため、シンプルな服のアクセントになります。 この327シリーズのジュニア版「PH327」は、大人用とデザインがほぼ一緒です。 しかも、紐靴仕様のものが多いため、大人が履いても全く違和感がありません。 レディースの「WS327」が12,000円前後するのに対し、ジュニアの「PH327」は7,000円前後。 浮いた5,000円で、スニーカーに合わせる靴下を3足買ってもお釣りが来ます。
ボリュームのあるハイテクスニーカー「ML725」。 韓国ファッションなどの影響で大人気ですが、これはメンズライクなモデルのため、一番小さいサイズでも22.5cmからの展開が主で、しかもかなり大きめの作りです。 足幅が細い22.5cmの人が履くと、カカトが抜けてしまう可能性があります。 725を履きたい場合は、必ず分厚い中敷きを入れるか、紐をかなりきつく締める覚悟が必要です。 もし似たようなボリューム感が欲しいなら、キッズモデルの「PV530」などをチェックしてみるのも一つの手です。
最後に、失敗しないためのサイズ選びのまとめです。
ニューバランスは「幅(ワイズ)」で選ぶ靴です。
ジュニアモデル(Y/P/Gなど)は、成長期の子供の足を想定しているため、大人用モデルよりも「甲が低く、カカトが小さく」作られている場合があります。 そのため、大人が履くと「長さはいいけど、甲がキツイ」と感じることがあります。 普段22.0cmの方なら、ジュニアモデルは22.5cmを選ぶと、窮屈感なく快適に履けることが多いです。
もし「ジュニアモデルを買ったけど、やっぱり履き心地が大人用に比べて薄い気がする」と感じたら。 1,000円〜2,000円ほどで売っているニューバランス純正の「高機能インソール(RCP150やRCP280)」に入れ替えてみてください。 これを入れるだけで、5,000円の子供靴が、数万円の高級スニーカーの履き心地に進化します。 これは、ニューバランス店員も密かに行っている裏技です。
「大人は高い靴を履くべき」なんて決まりはありません。 特に私たちのように足が小さい人間にとって、世界中の子供たちが履いている「ジュニアモデル(GS)」という巨大な在庫を使わない手はないのです。
996でスマートに決めるか、574で楽に歩くか、327でトレンドを楽しむか。 そしてそれを、大人用で買うか、賢くジュニア用で買うか。
ニューバランスは、そのすべての選択肢を私たちに用意してくれています。 ぜひ、靴屋さんの「キッズ・ジュニアコーナー」を、宝探しのフィールドとして歩いてみてください。 きっと、「これなら履ける!」という運命の一足が待っています。